Think Bee!の総合カタログ「Bee! Collection vol.23」 2019年8月号より、会長(河合 史郎)の連載記事をアーカイブしたものです。
スコットランドの誇り タータン柄
1980年、初めてスコットランドとアイルランドへ素材探しの旅に出かけました。エジンバラ、ダブリンと毛織物の産地を回り、エジンバラ最大の祭「ミリタリータトゥー」では、荘厳な儀式の中に多くのタータン柄を見ました。タータン柄は、元来、氏族や部族、
団体、クラブごとにオリジナルの柄が存在する伝統柄。例えば、その色柄を見れば「スチュワート一族だ!」とひと目で理解できるものです。
スコットランドで少数民族の誇りと長い文化から生まれた織物であると言えます。縦糸と横糸の操作で、どのようなチェック柄にもでき、配色は無限にありますが、まず基本のシンプルな色柄を作品に取り入れました。そして、男性的なチェック柄をシンクビー!流にデザイン。するとエレガントで女性的、かつトラディショナルな香りのする作品となりました。一見、男性的なデザインだと思われる生地も、型やディテール、装飾など様々な要素を複合させることにより、シンクビー!していきます。長い歴史を継続し、進化しながら旅はまだまだ続きます。