Think Bee!の総合カタログ「Bee! Collection vol.19」 2018年4月号より、会長(河合 史郎)の連載記事をアーカイブしたものです。
ベジタブルダイとの出会い
初めてインド(ジャイプール)を訪れたのは、1978年。
ヨーロッパの展示会で出逢った2人の青年がきっかけでした。彼らが見せてくれたインド独特の草木染(ベジタブルダイ)を目にした時に「これだ!」と閃きました。今までに見たことがない生地を求めてすぐに現地へ飛びました。
ジャイブールから車で1時間、バグルーという村で、ブリントの元となる木版を手彫りするところから始まりました。そして完成したブロック木版をトントンと叩いて押し、草木染めの手法で染色していきます。くっきりと柄が浮かび上がる瞬間はなんとも素晴らしく感動でした。
砂漠の町で何千年も続いてきたであろうプリントは、化学染料にはない独特の味わいがあり、その魅力に取りつかれてシンクビー!らしいエレガントなベジタブルダイを追究し、サンプルをたくさん作りました。
出来上がった生地を日本に持ち帰り、完成したのが写真の作品です。
流行のフォークロア、エスニックファッションブームと重なり、作品は大ヒット。当時はベジタブルダイ一色のシンクビー!工房でした。