Think Bee! NARRATIVE

2011年 ~ シンクビー!を「クリスマス」したら

2023.09.07
歴史

Think Bee!の総合カタログ「Bee! Collection vol.15」 2016年11月号より、会長(河合 史郎)の連載記事をアーカイブしたものです。

シンクビー!を「クリスマス」したら

クリスマスはシンクビー!にとって最大のイベントです。

作品づくりだけでなく、店舗ディスプレイ、ビー!コレクションカタログ、WEBサイトに至るまで尽きることの無い創作意欲が原点となり、シンクビー!流クリスマスが完成するのですが、その企画は様々な国のクリスマスを見ることからスタートします。

たとえば2010年の冬には、欧州のクリスマスを体験するために多忙な年末のスケジュールを調整しパリ、ロンドン、ミラノを訪れました。ご存知のとおり、欧州でのクリスマスシーズンは一年中で最も壮麗な季節と言えます。 12月の声を聞くと一斉にデパートのウィンドウディスプレイ、高級ホテルの玄関など街中がオリジナリティ溢れるイルミネーションで彩られ、クリスマスムード一色に染まります。

各家庭ではホームパーティーが開かれ、家族全員がクリスマスを迎える準備にウキウキしていました。煌びやかに装飾したクリスマスツリーの下、晴れやかなオシャレをした女性たちがお客様を出迎えます。各国のクリスマスのディスプレイはすべて素晴らしく、感動的でした。その中でもパリはもっとも華やかで小さな商店から銀行に至るまで、街中が個性豊かなデコレーションでにぎわっていました。そのイメージをいつか作品にしたいと思い、シャンデリアや王冠、ティアラ、雪の結晶などさまざまな被写体に向けて、数百枚の写真を撮りました。

帰国後は、欧州各国でインスパイアされた経験や入手した素材をヒントに、様々なクリスマスイメージの生地、資材を開発していきます。あのウキウキ感や素晴らしい感動が作品から伝わるように、さまざまな素材を絵筆にしてキャンバスに絵画を描くが如く、ときにはシンクビー!流に生花を活けるが如くデザインしていくのです。

完成までの道のりに一年を費やす作品もあれば、一瞬にして開花する場合もあります。表現していくことは苦労では無く、何事にも変えられない楽しみなのです。クリスマスイブが毎日つづいているような創作活動が原点ならば、作品はおのずと「クリスマス」していくことでしょう。

これからもクリスマスキャロルが流れてくるような、楽しい作品を目指したいものです。