Think Bee! NARRATIVE

1985年 ~ トルコブルーに魅せられて

2023.09.06
歴史

Think Bee!の総合カタログ「Bee! Collection vol.10」 2015年4月号より、会長(河合 史郎)の連載記事をアーカイブしたものです。

トルコブルーに魅せられて

1985年、かけがえのない出会いと閃きに突き動かされた時代。
漆黒の闇夜に輝くトルコブルー。欧州の織物は数々ありますが、やはりブルーはトルコ。
トルコを最初に訪れたのは今から約30年前。当時、世界遺産(文化遺産)に登録されたばかりの歴史的建造物「アヤソフィア』の中で見た宗教織物にも、やはり素晴らしいブルーが織られていました。東洋と西洋の間で生きる、イスタンブールならではのトルコブルーの、それまで見た事もない美しさと奥深さに一瞬にして目を奪われ、感銘を受けたことを今でも鮮明に覚えています。

オスマン帝国時代にさかのぼり、発色の良いブルーはイスタンブールでしか織れない!
長い文化で培われたブルーの発色は、数々のシンクビー!作品にも多用されています。
イスラム礼拝所であるモスクの壁面装飾にみられるアラベスク柄は、無限の象徴として宗教的背景の強い柄ではありますが、この重量感ある柄もトルコブルーが基本となっています。あのトルコ石のジュエリーの如く輝くブルーは、他の欧州メーカーの追随を許しません。

たくさんの生地を見てきましたが、ブルーと同様にトルコに勝てないもう1つの色が、漆黒です。トルコの漆黒生地が今のところ最高峰と思っています。漆黒の闇夜に輝く青い星の光りに似て、ブルーはトルコに勝てない。もちろん漆黒の無地もトルコです。

これまで沢山の織物メーカーや生地と出会い、探し続けてきた末に辿り着いた答えが「漆黒とブルーはトルコに勝てない!」なのです。
30年前のアヤソフィアから学んだ光り輝くブルーは、現在シンクビー!ブルーと呼ばれるブルーに成長しました。もちろんこれからもシンクビー!の世界観を表現する上で、こだわりと探求の旅は続きますので、今後もご注目ください。