Think Bee!の総合カタログ「Bee! Collection vol.10」 2015年4月号より、会長(河合 史郎)の連載記事をアーカイブしたものです。
Ifとその先にある仲間との出会い
貿易部の設立後は放浪に拍車がかかります。世界各地での素材探し。ベルギーでは宗教織物のレース。あのキリスト教会の司祭が着ているガウンを飾る金糸のレースです。
木工部材はフィリピンの山奥まで、インド・ジャイプールのビーズ、パリ蚤の市のボタン・・・。それら世界中から集められた材料とThink Bee!流にデザインされた布地のハーモニー。
生け花にも似るThink Bee!独自の感覚の追究でもありました。布地の追究はもちろん、金具・部材・裏地全ての資材がマッチングして新作が生まれます。
こだわりと追究
それはフィリピンの高級ホテルのカーテンのフリンジについている、木工の珠から始まりました。その金色に輝く木珠はどこで作っているのだろう・・・?ホテルの支配人から情報を聞きだし、元々はスペイン文化から来たカーテンを止める金具を、フィリピンでは木工で作ったのが始まりということでした。
その木珠を使ったThink Bee!バッグを作ろう!貿易部社員と木珠を探しに行こう!!初めて行く土地ですが、道のりは遠いが探せばあるものですね。数日後、小さな工場で木珠を作っている会社と出会う事が出来ました。
早速こちらの頭の中にあるデザインイメージを手描きで伝え、 Think Bee!バッグにマッチングする木珠のサンプルを作ることが出来ました。
その後はゴールドの塗装職人との打ち合わせです。そうしてThink Bee!の求める部材、たった一つの木珠が出来上がりました。大きな理想を込めた小さなゴールドの木珠。最初のサンプル 1,000個を製作依頼しましたが、残念ながらほとんどが不良品でキズがあったり、塗装がはげていたり、サイズが違ったり・・・。
数々の問題をクリアーするため何度も研究を繰り返した結果、フィリピンの皆さんの努力で、完成度の高い木珠は現在では不良品0までになりました。それは決して苦労ではなく、本当に“楽しい”思い出です。それが現在も続くオペラハウスシリーズのパーツとして、今もフィリピンで製造されており、テキスノヴァ社の素材とマッチするゴールドの木珠の魅力で、オペラハウスシリーズはロングセラーとなっていきます。
もし、あの時フィリピンに行かなかったら?もし、あのカーテンに目が行かなかったら? Think Bee!の作品はIf(もし)の連続と運と縁の連鎖の結晶です。様々な思い出の中、今現在がThink Bee!の結果なのだと胸を張ろう!立ち止まる事無く、今もなお世界中の仲間が制作活動をしています。